日東電工株式会社(本社:大阪市、社長:柳楽幸雄、以下日東電工)は、このたび業界で初めて海水面下での生物付着を抑制する船底保護用機能性フィルム「マリングライド(MARINGLIDE™)」を開発しました。これは市販の船底防汚塗料の耐生物付着性に近い特性を示すのに加え、洗浄性が格段に向上したものであり、水との摩擦抵抗低減による燃費向上も期待されます。さらに地球環境に優しいなど様々な特長を持った画期的な製品です。係留プレジャーボート全般への展開を目指しており、世の中の環境意識が高まる中、今後、船底保護材として新たにフィルム工法が加わり、お客様の選択肢が広がることが期待されます。
海水面下での船底への生物付着は避けることのできない自然現象であり、水との抵抗増大による燃費の悪化や付着物除去にかかる労力など様々な問題を引き起こしています。生物付着を抑制する手法として一般的に用いられているものは銅系の船底防汚塗料ですが、一部の地域でこれら銅系塗料が海洋 環境を汚染することが問題視され、2019年以降サンディエゴ市やワシントン州ではプレジャーボートに対する銅系塗料の使用が禁止されるなど、環境意識の高まりとともに環境対策が要求されるようになってきました。
当社は、エレクトロニクス分野や工業分野など幅広い用途で保護フィルムを事業化しておりますが、当社の強みである粘着剤技術やコーティング技術等を用いて、船底への生物付着を抑制できる環境に優しいフィルムの検討を進めた結果、従来塗料の防汚性に近い特性を実現したフィルムの開発に成功しました。
![]() 生物が付着した船底とスクリュー |
| 1) | 人にも環境にも優しい
VOC(揮発性有機化合物)もゼロで、作業者や環境に優しい製品です。 |
| 2) | 耐生物付着性
地域によって異なるため一概には言えませんが、本製品は3年以上防汚性が維持できる見込みです。 |
| 3) | 作業性の向上
メンテナンス時は高圧洗浄水で簡単に付着物を除去することができます。さらには、使用後にはフィルムを剥がすだけで船底が出現します。 |
| 4) | 燃費の向上
フィルム表面の平滑性が向上した結果、水との摩擦抵抗が小さくなり、燃費向上に寄与することが期待されます。 |
| 5) | 耐衝撃性
傷や衝撃から船底を守ります。 |
| 6) | デザイン性
透明フィルムであり、船底ボディの日焼けによる退色も防げるためデザイン性が向上します。 |
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1)販売時期:2014年度
2)販売目標:2018年度 20億円
尚、船底保護用機能性フィルム「マリングライド」は、3月7日から10日にパシフィコ横浜で開催される「ジャパンインターナショナルボートショー2013」に初出展いたします(第1会場)。
日東電工株式会社 ブランドコミュニケーション部 広報グループ