企画展 第20回 テープの粘着剤×塗り方展
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粘着テープには、さまざまな種類の粘着剤があります。
テープに機能を付加するため、粘着剤の塗り⽅も異なります。
今回は、粘着剤の塗り⽅で、テープを紐解いていきます。

粘着テープは、セロハンテープのセロハンや耐久ラインテープのポリエステル他を用いた複層フィルムなどの基材(⽀持体)の上に粘着剤が塗⼯(コーティング)されている構造になっています。(下図参照)
粘着剤は、製品の機能を発現させるため、さまざまな⽅法で塗⼯されています。

※イメージです。
粘着剤の塗工のながれ
⼀般的な粘着テープは、基材の上に粘着剤を塗ったあと、加熱・乾燥させ、溶剤等を除去してロール状に巻き取られます。

代表的な粘着剤
粘着剤の粘度、塗⼯量、速度などによって塗り⽅が選択されます。まず、3つの粘着剤をご紹介します。
粘着剤種類 | 1.溶剤系・エマルション系粘着剤 | 2.ホットメルト系粘着剤 | 3.固形粘着剤 |
---|---|---|---|
代表的な製品 | 両面テープ、マスキングテープ | 耐久ラインテープ | 布テープ |
図解 |
液状で塗る ![]() |
熱をかけて液状にして塗る ![]() |
熱をかけたロールの間で薄く ![]() |
食べ物で イメージすると? |
コーンポタージュ | バター | ピザ生地 |
※イメージです。

溶剤系粘着剤とは
粘着剤成分を有機溶剤に均⼀に溶かした液体です。
粘度の調整や粘着剤の厚さのコントロールがしやすいため、塗⼯の精度が⾼く、均⼀に粘着剤を塗られるなどの利点があります。

エマルション系粘着剤とは
粘着剤成分が水中に分散された液体です。溶剤を使用しないため、環境に優しい粘着剤です。
溶剤系と比較して、高い濃度で作ることができるため生産性が良く、また高い濃度でも低粘度でさらさらしているので塗りやすいです。

塗り方1:ロールナイフコーター
ロールナイフコーターは円柱状のロールコーター※とは異なり、コーティングロールにナイフ状に切り込みが⼊れてあるので、塗布⾯をきれいに出すことができます。
また、右図の[A]のようにコーティングロールとバックロールとのすき間(ギャップ)によって粘着剤の厚さをコントロールし、塗布量を幅広く調整できます。

※イメージです。
※イメージです。
塗り方2:グラビアコーター
グラビアコーターはロール⾯上に斜線で作られた溝などがあり、粘着剤をピックアップして塗ります。
低粘度から⾼粘度まで、また低速から⾼速まで幅広い速度に対応できます。
さらに薄く均⼀に塗れることが特⻑です。

※イメージです。

有機溶剤を全く使⽤せずに、⾼温で急激にやわらかくなる特性のある粘着剤です。
高温の下で値液状とした粘着剤をポンプで広い幅に押し出して基材の上に塗ります。
有機溶剤を⼀切含んでいないため乾燥⼯程が不要で、環境にもやさしく、塗⼯後は冷却のみなので、塗⼯速度を速くできます。
塗り方:ダイコーター
ダイコーターは基材に接触しないため、基材の影響を受けることなく塗ることができます。
また、気泡の抱き込みが少なく常に均⼀な厚みに塗れる特⻑があります。
低速から⾼速まで幅広い速度に対応できます。

※イメージです。

今までは代表的なテープの塗り方を紹介しました。
ここからは製品の機能を発現させるためにより⼯夫した塗り方を紹介いたします。
塗り方:ストライプ塗工
ストライプ塗工とは、いわゆるすじ塗りのことです。右の図のように塗る部分と塗らない部分を作ることで、粘着力をコントロールし、はがしやすくする特長があります。
このストライプ塗工の方法を活⽤した製品はNittoグループの⼆トムズのコロコロ®があります。

※イメージです。
ストライプ塗工から変化した新技術「スパイクドット粘着加⼯」と「W粘着加⼯」
スパイクドット粘着加⼯
スパイクドット粘着加⼯で作られた細かいドットが凸状に突起した粘着部分になっているので、繊維の奥まで⼊り込んで細かいホコリもしっかりキャッチします。

※イメージです。
W粘着加⼯
凸部分は弱粘着、凹部分は強粘着の強弱ダブル粘着加⼯になっているので、フローリングにもくっつかず、カーペットもぐいぐいお掃除できます。

※イメージです。
塗り方:ウェーブ塗⼯®
右のイメージのように粘着部分と非粘着部分が交互に波状パターンを形づくる塗り方です。
この形状にする事によって、安定した粘着力を実現し、さらに皮膚への蒸れやかぶれの要因を軽減できるメリットがあります。

※イメージです。
塗り方:スプレー塗工
スプレー塗⼯はスプレー状に粘着剤を塗布する塗り⽅です。粘着剤が薄く繊維状に塗られるので、弱粘着や通気性に適した塗り⽅です。

※イメージです。