企画展 第10回 電気を通さないテープ 通すテープ
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電気を安全・確実に届けるために、絶縁・導電材料が必要不可欠です。
実は、ここにもテープが使われています。
電気を通しやすい物のことを導体(どうたい)や導電体(どうでんたい)と呼びます。金属が導体の代表です。
逆に電気をほとんど通さない物を絶縁体(ぜつえんたい)または誘電体(ゆうでんたい)と言います。
ガラスがその代表です。
また、半導体(はんどうたい)というものもあります。導体が半分、絶縁体が半分の特性をもっています。半導体は、シリコンから作られることが多く、導体よりも電気を通しにくいことから色々なものに使われています。
- 絶縁テープとは
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絶縁体の特性を持ち、電気を通さないテープのことを「絶縁テープ」といいます。
通電したくない部分や配線を束ねるために用いられることが多いです。
絶縁テープには様々な種類や特長があり、使用環境や用途に応じて適したタイプが異なります。
どんな材料が電気を通しやすいかを比較するために用いられる物性値を体積抵抗率といいます。
体積抵抗率は、単位体積あたりの電気抵抗値のことです。つまり1cm3の立方体の互いに向かい合う2面間の抵抗値のことで、単位はオームセンチメートル(Ω・cm)で表されます。この値が低いほど電気を通しやすく、高いほど通しにくいといえます。
電気をより効率的に需要家(消費者、家庭)に届けるために、起こした電気を高い電圧で送電し、徐々に電圧を下げて広い範囲に電気を届けます。6.6kV以下に降圧されると、信頼性とメンテナンス性にすぐれ、電圧クラスに最適なさまざまなテープが使用されます。
- 自己融着テープ
- 粘着ポリエチレンテープ
- 半導電性ポリエチレンテープ
- 電線接続用ビニルテープ
- 相識別用ビニルテープ
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※耐候性が必要な場所では、自己融着テープや、
粘着ポリエチレンテープと併用される場合があります。
発電された電気が家庭に届くまで、電圧は変わっていきます。 電圧クラスによって、使われるテープも変わります。
電気を安全に運ぶためには、電圧に合った絶縁テープが必要です。
ビニル粘着テープは色の識別ができるほか、コストも抑えられるのですが、高電圧では絶縁破壊を起こす危険があります。
自己融着テープは、黒色のみで高コストですが、高電圧に耐えることができます。
- 巻きつけられたテープが一体化し、絶縁耐力が増加。6600Vの電圧にも長期間耐える。
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ビニル+ゴム系粘着剤は、多層巻するとズレる為、6600Vでは経年劣化で絶縁破壊(※)を起こす危険あり。
100V〜200Vでは問題なし。
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絶縁体(誘電体)に加わる電圧を増してゆくと、ある限度以上で
突然、絶縁性を失って大電流が流れる現象。
高電圧ケーブルには、安全確保の為に、断面図1の中心導体と断面図7のビニールシースの間に断面図5の「遮へい層」と呼ばれる銅箔が巻かれています。
ケーブルを接続する時には、事故を防ぐ為に、この遮へい層を確実に処理する事が、大変重要になります。
高電圧ケーブルには、電界を緩和する目的で遮へい層(導電層)が入っています。ケーブルを接続するために遮へい層を切って放置すると、電界が乱れ、特定部分に電気ストレスが集中し、ケーブルを破壊してしまいます。
そこで、電気ストレスを集中させないために、半導電テープを巻き、電界を緩和します。
電圧がかかっている空間または固体を「電界」といいます。電圧がかかって絶縁されている状態では必ず電界が存在しています。
身近で電界が発生しているのは静電気を帯びた状態や雷雲が近づいた時など。電界が乱れた時に、パチッと静電気が走ったり、落雷が発生するわけです。
日常生活に不可欠な「電気」。この「目に見えない」エネルギーを皆さんがいつも安全・確実に利用できるように、電力各社は常に努力しています。テープも、側面から電気の「安全・確実」を支え続けています。