企画展 第12回 熱で変化するテープ
- ▶第25回
- ▶第24回
- ▶第23回
- ▶第22回
- ▶第21回
- ▶第20回
- ▶第19回
- ▶第18回
- ▶第17回
- ▶第16回
- ▶第15回
- ▶第14回
- ▶第13回
- ▶第12回
- ▶第11回
- ▶第10回
- ▶第9回
- ▶第8回
- ▶第7回
- ▶第6回
- ▶第5回
- ▶第4回
- ▶第3回
- ▶第2回
- ▶第1回
Nittoの製品には、「熱」をきっかけに機能を発揮するテープがあります。
今回は、機能を発揮するメカニズムと共に熱で変化するテープを紹介します。
粘着力があるのに加熱すると簡単にはがれるテープです。
熱はく離粘着剤層には、熱を加えると膨張するカプセルが入っています。このため、熱を加えるとカプセルが膨張して熱はく離粘着剤層の表面が凹凸になり、粘着力がなくなって被着体を自然にはがすことができます。

電子部品のもとになる基板を小さなチップ状に切断するときの仮固定に使われています。
薄く小さなチップ状になった基板を壊さずにはがすことができます。

従来は、ワックスを塗って仮固定していたので、はがす時に溶剤を使っていました。熱ではがれるテープを使うと、溶剤を使わずにはがすことができて、作業性が向上します。

加熱すると発泡して厚みが増し、硬くなって強度がアップするテープです。
熱はく180°Cの温度で20分加熱すると樹脂層が発泡して厚みが増し、硬くなります。
厚みが増すことで曲げにくくなり、硬くなることで、強度がUPします。拘束層(ガラスクロス):ガラスの繊維でできている拘束層が樹脂層を加熱発泡させる時に樹脂層を抑える役目をはたしています。

自動車ボディーの補強に使われています。部分的に貼るだけで最適な補強ができます。

最近の自動車は、燃費向上のために車を軽くしています。自動車を軽くするためには、鋼板を薄くする必要があります。薄くなると強度が弱くなるので、軽いままで補強ができる、熱で硬くなるシートが必要になるのです。

① 鉄板が薄くて軽い自動車
軽いけどベコベコします。② 鉄板の厚くて重い自動車
強いけど重いです。③ 熱で硬くなるシートを貼った自動車
軽量で軽いシートを貼ると、重量を増やさずに補強できます。
軽くて丈夫な自動車ボディーで遠くまで走れます。
熱をかける前は樹脂と硬化剤が混じり合っていますが、熱をかけると一時的に樹脂が柔らかくなり、被着体の凹凸に馴染みます。
その後、化学反応で分子同士がつながりあうため、硬くなりよくつくようになります。


コイルの外層や層間の絶縁と固着に使われています。
おうちの給湯器の中のコイルから洗濯機、掃除機、電子レンジなどの家電、大きなものは電柱に付いている変圧器の中のコイルにまで使われています。

熱で硬くなるテープができる前は必要な機能を持った基材に樹脂を塗る「ハンドレイアップ」という作業を行いコイルの固着と絶縁を両立する材料を現場で作っていました。
それをコイルに貼り付け硬化炉に入れるか、ワニスにドブ付けし硬化炉に入れるので、大掛かりな設備が必要でした。
熱で硬くなりくっつくテープは、欲しいところに欲しいだけ貼り付けられ、その後オーブンに入れれば固着・絶縁ができるため、製造工程の効率化ができるようになりました。
