シード領域の3塩基をDNAへ置換し、低濃度でのsiRNA活性向上とオフターゲット抑制との両立を目指す設計技術です。少ない置換で遺伝子サイレンシング効果を高める新たな選択肢を提案します。
Nittoのシード領域DNA修飾は、siRNA(small interfering RNA)ガイド鎖のシード領域における3塩基をRNAからDNAへ置換することで、低濃度でのsiRNA活性向上を目指す設計技術です。従来、シード領域を広範囲にDNAへ置換すると活性が低下する傾向が見られていました。本技術は、最小限のDNA置換により遺伝子サイレンシング効果の向上を図るとともに、オフターゲット抑制との両立を目指します。Nittoでは、企業様が保有するsiRNAにおけるシード領域へのDNA修飾や、本技術のライセンスに関するご相談を受け付けています。
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siRNA医薬の開発では、より低い濃度で十分な遺伝子サイレンシング効果(ノックダウン)を実現できる高活性なsiRNAが求められます。特にpM濃度領域において活性を向上できれば、候補配列の性能向上につながる有効な設計選択肢となります。一方で、ガイド鎖のシード領域が標的mRNA(messenger RNA)以外のmRNAを部分的に認識すると、miRNA(microRNA)様オフターゲットが生じる可能性があります。そのため、高い活性とオフターゲット抑制を両立する設計が重要となっています。
また、既存の設計では、配列ごとのスクリーニングや特殊化学修飾の検討に工数がかかる場合があります。研究開発から製造への移行を見据えると、設計の再現性に加え、原料の調達容易性や、既存の合成工程への導入のしやすさも重要です。
本技術は、siRNAのガイド鎖にある塩基位置2~8番目のシード領域のうち、3、5および7番目、または4、6および8番目の塩基をRNAからDNAへ置換する設計技術です。シード領域は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC:RNA-induced silencing complex)が標的mRNAを認識する際に重要な役割を担っています。
シード領域を部分的にDNAへ置換することで、標的mRNAとの結合に関わる熱力学的性質が変化し、miRNA様オフターゲット認識が低減される可能性があります。また、RISCによるガイド鎖の選択的な取り込みや、標的mRNAの認識・分解・翻訳・遺伝子サイレンシング効率などに影響を及ぼす可能性が考えられます。
本技術では、オフターゲット抑制に加え、siRNA活性の維持や、配列によっては遺伝子サイレンシング活性の向上が確認されています。なお、DNA修飾による活性向上の詳細な作用機序については、現時点では十分に解明されていません。
![]() siRNAシード領域におけるDNA置換パターン |
特殊な修飾核酸を使用せず、シード領域の特定位置をDNAへ置換する設計です。
DNAを用いる設計であるため、オフターゲット抑制効果が報告されているGNA(Glycol Nucleic Acid)、UNA(Unlocked Nucleic Acid)、2’-5’-RNA (2’-5’ linked RNA)など、その他の修飾核酸との併用も可能な設計です。
複数の標的遺伝子においてsiRNA活性の向上が確認されており、未修飾siRNAと比較して2~24倍の活性向上を示した例があります。
特定の配列に限定されず、シード領域の置換位置に着目した構造上の設計ルールとして、異なる標的配列への展開可能性を検討できます。
siRNA活性向上を主な価値としながら、シード依存的なオフターゲットの抑制との両立を目指す設計です。
![]() シード領域DNA修飾siRNAの活性評価結果 |
| 比較項目 | 従来の広範囲なDNA修飾 | Nittoの3塩基DNA修飾 |
|---|---|---|
| 修飾の考え方 | ガイド鎖の5’末端側約1/3をDNA化 | シード領域の4、6、8番目など3塩基をDNA化 |
| 置換範囲 | 複数塩基を広い範囲で置換 | 特定の3塩基をピンポイントで置換 |
| 低濃度での活性 | 活性が低下する場合がある | 活性の維持・向上を示した例があり、オフターゲット抑制との両立を目指せる |
| 設計展開 | 配列ごとに置換範囲の検討が必要 | 3、5、7番目または4、6、8番目の置換パターンを基礎に展開可能性を検討 |
疾患領域を限定せず、低濃度でのsiRNA活性向上とオフターゲット抑制を課題とする研究開発への活用が期待されます。新たなsiRNA医薬の設計をはじめ、がん、線維症、希少疾患など幅広い領域での応用が考えられます。
siRNA設計基盤において、低濃度でのノックダウン効率とオフターゲット抑制の両立を目指す際に、シード領域のDNA置換パターンを新たな設計選択肢として活用できる可能性があります。
候補配列の活性不足や非臨床段階での安全性リスクが課題となる場合、自社配列に本設計を適用し、ノックダウン効率やオフターゲットへの影響を比較評価するアプローチとして活用が期待されます。
肝外組織への送達に伴い投与量が増加し、オフターゲット作用が懸念される開発において、送達技術と組み合わせるsiRNA側の設計選択肢として検討できます。
特殊アミダイトの調達や合成条件の複雑化が課題となる場合に、DNAを用いた修飾メニューとして、製造面での実現可能性や顧客提案への活用を検討できます。
これらの活用例に限らず、標的配列や送達技術、疾患領域に応じた幅広い適用可能性が期待されます。Nittoは、本技術の特許開放を通じて、核酸医薬研究開発における新たな設計選択肢の提供を目指しています。
Nittoは、siRNAの活性向上とオフターゲット抑制を重要な設計課題と位置付け、核酸医薬の研究開発に取り組んできました。これまでに、肺がんや肝硬変を対象としたsiRNA医薬候補を臨床試験段階まで進めた実績があり、その過程で配列設計、化学修飾、活性評価に関する知見を蓄積しています。
Nittoでは、これまでの核酸医薬研究で培った知見を基に、企業様が保有するsiRNA配列や開発候補への適用可能性、および本技術のライセンスに関するご相談を受け付けています。
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Nittoは、シード領域の特定位置をDNAへ置換するsiRNA設計に関する特許を保有しています。RNAi創薬プラットフォーム、核酸医薬パイプライン、DDS技術、受託合成サービスへの適用について、ライセンスに関するご相談を受け付けています。
| 特許番号 | リンク | その他情報 |
|---|---|---|
| JP6457704 | 特許情報リンク | ― |
本技術は、日本 (JP6457704)のほか、米国(US10358647)、欧州(EP3386519)、韓国、台湾、香港、インド、カナダ、オーストラリア等24ヵ国での特許権を保有しています。
※本ページの内容は掲載時点の情報に基づいています。最新の特許権利状況等については、公的データベース等でご確認ください。
Nittoの保有特許活用までの流れの一例は、下記の通りです。


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技術知財戦略本部 第3知的財産部