携帯電話などの電子機器では GHz の周波数を利用するため、使用する素材にも信号伝達に影響を与えないものが求められます。特に、信号を伝達する回路材料として使用されるフレキシブル回路基板( FPC )などについては、微細な変化でも信号伝達に影響を及ぼす可能性がある誘電正接・比誘電率・伝送特性・特性インピーダンスなどの高周波特性を高精度に測定・評価することが重要です。
特に回路基板における重要な測定項目として、Sパラメータ(Scattering Parameter)があります。Sパラメータとは、伝送線路を出入りする電力の大きさや位相により、回路の特性を規定する要素です。Sパラメータは、ベクトルネットワークアナライザにより、MHzからGHz帯まで測定できます。通過(透過)特性|S21|は出力電力を表し、伝送損失の大きさなどを評価できます。また、反射特性|S11|は反射電力の大きさを表すもので、反射波の大きさやその影響を評価できます。このようなSパラメータを測定することにより、伝送可能な信号周波数の判断や伝送損失の変化を評価することができます。![]() |
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![]() 測定の概略と評価可能なSパラメーター及びFPCの伝送特性評価例 |
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![]() 空間電荷観察の概念図と粘着テープの空間電荷測定例 |
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