本文へリンク

アスファルト

テープの歴史館

第1章 接着剤のはじまり

< 戻る

天然アスファルト人類が初めて使った接着剤

「くっつける」ことは、12000年前から行われていました

粘着テープの基本的な機能は「貼り付ける」「巻き付ける」という、「くっつける」ことです。この「くっつける」という行為は、12000年前頃から行われていました。
 そこで使われていた接着剤の代表的なものは、天然アスファルトです。石油の油分などが地熱によって蒸発し、その残留物が化学変化を起こして出来上がった物質です。

「くっつける」ことを最初に可能にした、天然アスファルト

現在でも、道路舗装や防水用・電気絶縁用など、私たちがごく当たり前に目にするアスファルト。その多くは石油から人工的につくられたものですが、自然界には天然のものが存在し、人類は古くからこれを接着剤として用いてきました。
 縄文時代の日本でも秋田地方などで産出し、天然アスファルトを使って石を棒につけ、槍にしていました。縄文遺跡の土偶には、欠けた部分を天然アスファルトで補修した例も見られます。

天然アスファルトが大規模に利用されたのは、紀元前3800年頃のチグリス・ユーフラテス河流域、現在のイラク地方に誕生した古代メソポタミア文明です。ここは石油の産地。当然、天然アスファルトも豊富にあり、人々は「モノとモノとをくっつける」ために利用していました。イラクのウル地方から出土した「ウルのスタンダード」は、紀元前2700年頃の壁画ですが、貝殻や宝石を天然アスファルトで接着しています。
 古代メソポタミア文明の技術を継承した古代バビロニア帝国では、天然アスファルトによってレンガを固め、巨大で堅牢な建造物を数多くつくりました。また、道にレンガを敷き詰めて、それを天然アスファルトで固定することも行っていました。旧約聖書に出てくる「バベルの塔」は、古代メソポタミアの人々の間で語り継がれていた物語が原形だとされていますが、その実在が古代バビロニア帝国の首都・バビロンで確認されています。天然アスファルトの固着力が、当時としては驚異的な建造技術を可能にしたのです。

「貼る」「くっつける」ことは、新しい価値を生むことでもあります。それはまず、天然アスファルトから始まったのです。

コラム:現在の天然アスファルト産地は?

現在、世界で最も天然アスファルト生産量が多いのは、カリブ海に浮かぶトリニダード・トバゴ共和国です。アスファルト鉱脈があるピッチ湖はアスファルトが湧き出ており、推定1000万トンの埋蔵量があるとも言われています。

ページトップへ戻る