Nittoに入社を決めた理由
技術者として医薬品の開発に携わり、
人々の暮らしに貢献したかった。
もともと医薬品を研究したかったので、大学では薬学を学んでいました。でも、勉強するほど医薬品の研究開発難易度はどんどん上がっていることを知りました。加えて、新薬が市場に出るまでには10~20年ほどかかります。そう考えると「自分が生きているうちに新しい医薬品を世に出すのは難しいのではないか」と思ったのです。そこから“人々の生活を豊かにする仕事をしたい”という大きな視点で就職先を考え直しました。視野を広げると、製薬会社より化学メーカーの方が世の中に貢献する新製品開発に携われることに気づきましたね。なかでもNittoは「核酸医薬」の原薬受託製造分野で世界トップシェアを誇っていることを知り、「ここなら医薬品の研究開発にも貢献できるはず」と感じて入社を決めました。
Nittoで感じるやりがい
自分の仕事が不治の病を治す糸口になり、
世の中を変える可能性が、ある。
そもそも「核酸医薬とは何か?」ですが、まず人間の構造からお話しします。人間はほぼタンパク質でできていて、タンパク質をつくるもとになっているのが核酸という物質。遺伝子情報を担うDNAとDNAにもとづきタンパク質合成に関与するRNAの総称で、まさに生命の設計図のようなものですね。ここに異常があると病気になるのですが、薬局で処方される薬は核酸にアプローチできませんでした。対して核酸で構成された「核酸医薬」は遺伝子などに直接作用して、病気の根本から治すことが期待されているのです。近年、医薬品として認められた核酸医薬のもとを製造する技術や、合成に使用する材料の開発が私たちのミッションになります。この事業は当社のテープ開発に使われている高分子技術の応用から始まっていて、Nittoが今注力している分野です。ただ、未知の部分が多いので、上手くいかないことはありますね。試行錯誤の連続です。それでも自分がつくった製品、技術で生まれた核酸医薬が、今まで治せなかった病気を治せるようになるかもしれない。技術者として世の中に貢献できる可能性がある。そう実感できるのは幸せですね。
チャレンジエピソード
「とにかく、やってみる」。
その姿勢を培った
入社1年目、
単独アメリカ出張。
新人時代、当時携わっていたテーマの技術検証を行うため、3週間の海外出張に行きました。行き先はNitto Denko Avecia。アメリカにある子会社で核酸医薬の製造拠点です。海外出張はよくあるのですが、入社1年目だったので「先輩と一緒だろう」と思っていたのですが、まさかの1人。英語に全く自信がなかったのでびくびくしながら行きましたね。案の定、相手の言葉を満足に聞き取れず、上手くコミュニケーションを取れませんでした。それでも、身振り手振りを交えた拙い英語で必死に意思疎通を図りました。そうすると相手も理解しようとしてくれて、意外と上手くコミュニケーションが取れるようになったのです。滞在中には実験機器の使い方や、検証条件の設定などさまざまなことを教えてもらい、とても実のある3週間だったと思います。でも、もしかしたら「不安があっても臆せず、とにかくやってみる」という姿勢の大切さを実感できたのが、今振り返ると一番大きな収穫だったのかもしれません。チームリーダーになった今でも、前例のないことに取り組む際には「まず、やってみよう」と考えるようになったので、単身海外出張は、身をもって“挑戦する姿勢”を培った出来事になりました。