CSR&アニュアルレポート2011
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研究開発CSR & Annual Report 201124新規ホログラムディスプレイ用有機ポリマーの開発がさらに進歩し、「nature」で再度紹介される米国にある日東電工テクニカル(NDT)では、独自で開発した「世界最高レベルの回折効率と、速い書き込み速度を有する有機フォトリフラクティブ材料」を用い、アリゾナ大学のペイガンバリアン教授のグループと共同で、優れた画像保持性を持ち、書き換えも可能なホログラムディスプレイの開発に成功しています。このシステム・方式の詳細などは、2008年2月に、科学雑誌の最高峰である「nature」をはじめとする科学諸雑誌やCNNなどのニュースメディアにも取り上げられましたが、さらなる進歩・改良が認められ、2010年11月、再度「nature」に大きく紹介され、話題を呼びました。1. 技術の特長(1)書き換えが可能になることで、立体的な動画が実現「ホログラム」とは立体画像がフィルムなどに立体的に記録されたものです。すでにクレジットカードや紙幣などで「偽造防止用」として使われています。異なる角度から見ることで、微妙に違った画像パターンとなり、人間の目は立体像として認識することができます(図1)。他の3D画像表示方式に比べて、より自然であり、見る人に疲労感を与えないことが特徴です。しかし、従来のホログラム記録材料は書き換え不可能でした。そのため、連続した動画などの再生ができませんでした。そこでNDTでは、安価に製造でき、ガラス板やプラスティック板上に簡便に塗布できる有機ポリマー系の開発を進めてきました。さらにアリゾナ大学と共同で、フォトリフラクティブ方式に注目し、材料の改良などにより、画像の書き換えを可能にしました。特に、書き込み速度は、2008年に比べ飛躍的に向上させ、例えば6インチサイズのディスプレイでは3分かかっていたものを、秒単位での書き換え可能にしました。将来的にはさらに1桁向上させ、現在のテレビ画像の書き換え速度と同等にする研究を進めています。(2)カラーホログラムが可能これまでのフォトリフラクティブは赤色だけしか表示できませんでした。今回、材料化学構成の改良や特別な材料の導入により、フルカラーの表示を行うことに成功しました。(3)大きなディスプレイサイズにも対応可能2008年に報告したものより約10倍大きく、30cm×30cmの大きさを可能にしました。フォトリフラクティブ材料系サンプルとしては世界最大です。日東電工が得意とするポリマーの成型加工技術を利用することにより、大面積ディスプレイを均一かつ無欠陥で作成することに成功しました(図3)。(4)左右だけでなく上下方向でも3D画像が可能以前は、画像を縦ストライプ状にのみしか表示できませんでした(Horizontal Parallax)。そのため、頭を左右に動かすと3Dが認識できましたが、上下方分子頭蓋骨図3:今回開発したディスプレイ媒体の大きさ(黄色部分)。Red roses図2:カラー画像。いろんな色も表現できるようになりました。Blue rosesTraffic light図1:今回報告された書き換え可能なホログラム像。いろんな角度から見た画像を組み合わせることで、立体的に見えてきます。

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