本文へリンク

粘着メモ

テープの歴史館

第7章 私たちの文化・生活と
ともに

< 戻る

粘着メモ貼って剥がせる便利な粘着テープ

突然浮かんだアイデアと失敗作との組み合わせが産んだヒット商品

メモ用紙の裏側の一部に粘着剤がついていて、メモを書いた後に貼ることができ、しかも剥がす時に、きれいに剥がれる「粘着メモ」。
 粘着メモというよりは、<ポスト・イット®(Post-it®)>というブランドのほうがわかりやすいかもしれません。これは、アメリカの3M(スリーエム)社の登録商標です。この製品の誕生には、とても有名な話があります。

1974年12月のこと。3M社の研究者アート・フライは、日曜日は教会の聖歌隊メンバーでもありました。聖歌集には、歌う予定のページにしおりをはさんでいますが、これがいつも落ちてしまうのです。12月のこの日も、落ちたしおりを拾いながら、彼は「しおりが落ちなければいいのになあ」と考えていました。その時です。彼にあるアイデアが浮かびました。

彼が考えたのは、「しおりの端に糊をつける」ことでした。簡単なようですが、これを製品化するには粘着剤の改良が大きなポイントでした。従来からある普通の糊だと、剥がす時に紙が破れてしまいます。
 しっかりと貼れて、きれいに剥がれる。この矛盾した性質を持った粘着剤に、フライは心当たりがあったのです。

それは5年ほど前のことでした。3M社で強力な接着剤を開発していたスペンサー・シルバーは、日夜研究を重ねる中で、強力どころか「何を貼りあわせても簡単に剥がせてまた貼れる」ユニークな粘着剤をつくっていたことを、フライは憶えていたのです。

こうして、突然浮かんだ「落ちないしおり」というアイデアと「ユニークな粘着剤」との組み合わせによって、1980年に製品化された<ポスト・イット®ノート>は、アメリカでは「5本の指に入る文具」と言われるほどのヒット商品になりました。

コラム:貼ったり剥がしたりできる秘密は「玉」

<ポスト・イット®ノート>は、どうして何回も貼ったり剥がしたりできるのでしょう。
 これは、3M社が開発した「ユニークな粘着剤」の構造に秘密があります。
 簡単に言うと、粘着剤が小さな玉になっているのです。 貼っていない状態では、この玉はきれいな球状です。きれいな球状では接着面が少なく、そのままではくっつきません。
 貼る時は指などで押さえつけますから、玉がつぶれて横に広がります。そうすると接着面が広がり、くっつくことができます。
 くっついたものを引っ張ると、玉はまた元の球状に戻り、粘着力が落ちて剥がれる・・・この繰り返しで、何度も「ついたり剥がれたり」が可能になっているのです。

ページトップへ戻る