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捕まえる(3)

テープの歴史館

第7章 私たちの文化・生活と
ともに

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捕まえる(3)ゴキブリからネズミまで

ゴキブリをおびき寄せる独自の工夫

粘着シートのゴキブリとりは簡単な構造をしていますが、実はアイデアがいっぱい詰まっています。特に、おびき寄せるための仕掛けづくりには、各社が創意工夫をこらしています。代表的なものは「好きなにおいの餌を置く」「台紙の中央ラインに、餌のにおいをつける」「粘着剤に餌のにおいを入れる」「ゴキブリの集合フェロモンを粘着剤に入れる」などです。

ところで、どの製品を見ても、捕獲器の入り口が上り坂になっているのにお気付きでしょうか。もし、これが平面だと、この先に粘着剤があることがわかってしまいます。たとえ粘着剤に乗ったとしても、前足だけが乗った時点で、バックして逃げることが可能です。

しかし上り坂にすると、先に粘着剤があることがわかりません。気が付いた時には坂から落ちて、全身が粘着剤の上、という仕掛けなのです。この坂道には最適角度というものがあり、かつては特許問題にもなったほど重要な仕掛けです。

ネズミとりにまで発展

このゴキブリとりを使っていると、そのうち思いもかけないことが起きました。ネズミやヘビなどが捕まったのです。ここから、粘着シートのネズミとりの開発が始まりました。

一番需要が多いのは、専門業者向けです。飲食店や食料倉庫などでは、大きなドブネズミの被害が後を絶たず、専門業者が駆除をしています。
ドブネズミは大きく力も強いため、粘着シートは、柔らかい粘着剤を厚く塗っています。それでも、朝になってみると、シートが消えていることがあります。ネズミがシートを引きずったまま逃げるのです。そのため、袋状になったものもあります。

ゴキブリやネズミは、私たちの住まいに入り込むとトラブルを引き起こす害生物ですが、しかし、私たちと同じ生き物です。ゴキブリを数年間にわたって飼育・観察してきた日東電工株式会社の研究者の一人は、一番印象に残っていることとして、「ゴキブリは何度も脱皮して成虫になりますが、あの黒いゴキブリが、脱皮した直後は真っ白なんですよ。何度見てもとても神秘的でしたねえ」と、うっとりしていました。
新製品開発の裏には、人々のさまざまな思いも交差しています。

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