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ポリエステル粘着テープ(2)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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ポリエステル粘着テープ(2)性能でも歴史を飾るテープ

合成高分子技術の組み合わせで生まれた高性能粘着テープ

ポリエステルフィルムの優れた性質の数々は、粘着テープにも広範囲の可能性を与えました。
 当初、ポリエステルフィルムに塗る粘着剤には、他の粘着テープのために開発されたゴム系粘着剤が使われ、熱硬化型粘着剤や難燃性粘着剤も応用されました。
 しかし、その真価があますところなく発揮されるためには、同じく高分子化学技術によって生み出された粘着剤が必要でした。それが、アクリル粘着剤です。この組み合わせは、まさに「鬼に金棒」でした。

ポリエステル粘着テープは、粘着テープの歴史の中で、初めて合成高分子だけでつくりだされた記念碑的なテープですが、それ以上に重要なのは、それまでの天然材料による粘着テープでは持ち得なかった特質を、数多く備えていたことです。

柔軟性があって機械的強度が大きく、寸法安定性にも優れている・・・・・・このような物理的特長は、テープ状に加工して活用するうえでも非常に有利な条件となりました。また、アクリル粘着剤の使用によって、粘着テープとしては驚異的な耐熱性を実現できたことも、大きな利点です。さらに、耐油・耐薬品性、耐候・耐光性も著しく向上しました。
 これらポリエステル粘着テープならではの優れた特性のために、各方面で歓迎され、短期間のうちに種々の分野に浸透していきました。

この転機を境に、粘着テープの技術は大きく花開き、今では数百種類もの粘着テープが私たちのまわりで活躍しています。

コラム:ポリエステル粘着テープの主な活躍分野

(1) 電気機器

ポリエステルの優れた電気絶縁性とアクリル粘着剤の耐熱性は、電気機器用テープとしてうってつけでした。特に、その薄さと軽さを利用して、小型電気機器の絶縁や、コイル外装の絶縁および巻き止めに用いられています。
 ポリエステル粘着テープがなければ、電気機器を現在のように小型化させるのは困難だったといっても過言ではありません。

Nittoの電気絶縁用ポリエステル基材粘着テープ
トランス・コイルの層間・外装絶縁体用途に活躍。

(2) 包装

薄くて軽く、非常に強いポリエステル粘着テープは、包装用にも理想的です。段ボールの重包装用では、重ね貼りができ、耐水・耐湿性に優れた特性を発揮します。

(3) 装飾

お菓子の缶の蓋シールなどに使われている、美しい金属光沢のある装飾用テープも、ポリエステル粘着テープです。ポリエステルフィルムに着色し、アルミニウムを蒸着してつくります。

日東電工CSシステムのリビックテープ No.401
化粧缶のシールや装飾などに。

(4) 医療

医療器具取り付け用としてはもちろん、ユニークなものとしては経皮吸収型テープ製剤があげられます。これは薬物を含んだ粘着テープを皮膚に貼り、毛細血管を通して薬を体内に浸透させる治療製剤です。ポリエステルフィルムの耐水性や耐薬品性、柔軟性、薄いという性質に加え、人間の皮膚がアクリル粘着剤にはかぶれにくいという特長が功を奏しました。

(5) 光学

LCD用光学フィルムの表面保護用にも、ポリエステルフィルムの粘着シートが使われています。保護シートを貼ったまま検査をするため、フィルムの透明性が必要で、その条件を満たしているポリエステルフィルムが採用されています。

Nittoの表面保護フィルム E-MASK®(イーマスク)シリーズ
先端エレクトロニクス分野や工業分野で、
マスキング・表面保護に活躍。

この他、磁気テープの終端固定用、プリント配線基板めっきマスキング用、両面粘着テープや剥離ライナーとして、さらにラベルやステッカーにと、ポリエステル粘着テープの応用製品は枚挙にいとまがありません。

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