本文へリンク

ポリエステル粘着テープ(1)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

< 戻る

ポリエステル粘着テープ(1)粘着テープ史のターニングポイント

支持体も粘着剤も合成高分子でつくられた最初のテープ

人類が初めて火を使いだした時、あるいは農耕を始めた時・・・・・・それは、文明を大きく飛躍させるターニングポイントとなりました。
粘着テープの歴史にも、ターニングポイントがいくつかありますが、その一つが合成高分子との出会いです。天然高分子では不可能だったことや難しかったことが、合成高分子を用いることによって解消され、それまでとは比較にならないほど技術上の自由度が広がったからです。

ポリエステル粘着テープは、この出会いの産物の中でも、最も意義深いものでした。支持体(ポリエステルフィルム)も粘着剤(アクリル系)も合成高分子でつくられた最初の粘着テープだからです。その登場は、後へと続く粘着テープの進化の原点となりました。

ポリエステル樹脂の特許は1941年

ポリエステル粘着テープの支持体であるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂からできています。
ポリエステル樹脂には多くの種類がありますが、テレフタル酸とエチレングリコールからつくられるポリエチレンテレフタラートが、最も広く利用されています。

ポリエステル樹脂の開発は、ナイロンの発明で有名なデュポン社が実験に取り組んでいました。しかし特許は、キャリコ・アソシエーション社のウィンフィールドとディックソンが1941年に出願し、1946年に登録されています。

実用化は繊維の生産が先に始まり、フィルムは1953年にイギリスのI.C.I社が<メリネックス®>の名で、試作生産を開始。翌年<マイラー(MYLAR®)フィルム>という名称でデュポン社が発売を開始しました。

夢の新素材、ポリエステルフィルム

ポリエステルフィルムは、電気絶縁性、機械強度、屈曲疲労強度、そして耐水・耐薬品性に優れています。加えて、摂氏マイナス60℃からプラス150℃という大幅な温度範囲内で、これらの特性が損なわれないという点が、最も大きな特長でしょう。さらに光学的透明性にも優れ、なおかつ伸縮がほとんどありません。

このような性質が材料としての信頼性につながり、さまざまな用途で幅広く使われています。エンジニアリングプラスチックフィルムと位置付けられているのも、この性能の高さによるものです。
最大の用途は、X線フィルムやスライドフィルム、ネガフィルムといった写真用です。これは、ポリエステルフィルムが持つ光学的透明性や寸法安定性、耐化学薬品性が存分に活かされた分野です。
その他、磁気フィルムや磁気ディスク、食品用包装材、金属蒸着素材、プリンターリボン、剥離ライナー、ラベルなど、実に幅広く利用されています。

ページトップへ戻る