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表面保護用粘着テープ(4)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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表面保護用粘着テープ(4)絞り性能をさらに高めた改良品

耐久性があり、きれいに剥がれる粘着剤への改良

不可能とも思われた表面保護用粘着テープの改良は、まず粘着剤から始められ、何よりも耐候性が重視されました。
当時、耐久性・耐候性に優れていたのは、最先端技術のアクリル粘着剤です。しかし、アクリル粘着剤は、強接着が必要な用途では画期的な性能を発揮しますが、剥がす時には楽に剥がせ、しかも剥がした後に粘着剤が残らないといった点では問題がありました。これでは表面保護用には適しません。
そのため、この「耐久性」の特徴だけを生かし過剰接着を軽減するために、粘着剤の分子構造の研究・改良を進め、新しい粘着剤を合成したのです。

一石二鳥のシリコーン系剥離処理剤


ステンレスを圧力で加工する絞り加工でできた流し台。表面保護用粘着テープにシリコーン系剥離処理剤を塗ったことで、滑りがよくなり、より性能の高い加工が可能になりました。
次に、表面保護用粘着テープは、その性格上、とても幅が広いテープです。1メートル以上はあります。これだけの幅のものを、使う時にテープ本体から剥がす(「巻き戻し」と言います)には、力いっぱい引っ張らなければなりません。
そのため、粘着剤がついていない面(背面)に、シリコーン系剥離処理剤を塗りました。シリコーン系剥離処理剤は、粘着剤が付きにくい性質を持っています。これで、幅が広くても、軽く巻き戻すことができるようになりました。

同時に、これは一方で思わぬ効果をもたらしました。テープの表面にシリコーン系剥離処理剤を塗ったことで、絞り加工の滑りがよくなり、絞り性能まで高めることができたのです。

最後に残った難問は、テープの厚さでした。絞り加工は、押す方の金型と、それを受ける方の金型とで行われます。表面保護用粘着テープは、その間に挟んで使われるわけですが、テープが厚いと、絞り加工がきれいにできません。
そこで、あらゆる方法を使って、厚さ50ミクロンという画期的な表面保護用粘着テープを完成させました。

1966年(昭和41年)、当初は不可能と思われていた表面保護用粘着テープを、世に送り出すことができたのです。

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