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表面保護用粘着テープ(2)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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表面保護用粘着テープ(2)ビニル粘着テープの中から誕生

候補に残ったのは、缶シール用ビニル粘着テープ

絞り加工で使われ、金属の表面を傷つけないためには、テープそのものが柔軟で、しかも十分な粘着力が必要になります。なおかつ、作業をスムーズに行うには、貼りやすくて剥がしやすいという矛盾した特性を満足させる粘着テープでなければなりません。さらに、戸外で日光にさらされても、剥がした後に粘着剤が残るようなことがあってはなりません。
現実に開発しようとすると、容易なことではありませんでした。

そこで、ありとあらゆるビニル粘着テープが集められ、日夜、検討が重ねられました。電気絶縁用から食品缶シール用、壁紙装飾用、アルバムコーナー用、絆創膏用……。
結果として候補に残ったのは、必ずしも伸びが大きくなく、厚さが薄く、剥がす際に粘着剤が残りにくい、半硬質ビニルフィルムを使用した「缶シール用ビニル粘着テープ」でした。お菓子などが入っている缶の、ふたの部分に巻かれている粘着テープです。

実用化の第1号は1961年に誕生

これをもとに試作された表面保護用粘着テープは、トヨタ自動車のエンジニアの期待に応えるだけの魅力を持ったものでした。プレス加工時の摩擦による傷を防ぐことができれば、合理化に結びつくからです。

しかし、実際に使用するとなると、まだまだ改良が必要でした。そのために、フィルムと粘着剤の両面から研究が進められました。
まず、フィルムは、絞り加工時の鋼板の伸びに添って伸びる特性のものをつくりました。次に、粘着剤には、これまでには例を見ないほどの高凝集力と粘着性を両立し、端末からの剥がれに強いという特徴を持ったゴム系粘着剤を使用することに決定しました。

こうして、表面保護用粘着テープが自動車メーカーの要求を満足させるだけのレベルに到達したのは、1961年(昭和36年)のこと、記念すべき実用化の第1号は、トヨタ・パブリカの鋼板製バンパーの絞り加工でした。

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