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自己融着テープ(3)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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自己融着テープ(3)難問を解決したブチルゴム

巻き付けても気泡が入らないこと。これが難問でした

電力ケーブルの接続部を絶縁するためには、テープを何層にも巻き付けて、決められた絶縁厚さにし、必要な耐電圧性を発揮させることが必要です。しかも、耐電圧性を継続して発揮させるためには、耐候性や耐オゾン性、耐コロナ性、耐水性なども欠かせません。
 これらの条件を満たすには、テープ表面に粘着物質がなく、巻き付けたテープとテープの境目に段差や気泡が発生しないことが必要です。特に、気泡を入れないことは、基本課題でした。

この難問を解決したのが、ブチルゴムです。ブチルゴムは、自着性に富む素材です。しかし、形がくずれて流れてしまうため、ポリエチレンを加えて完成させました。新しい合成材料の組み合わせとテープの製造技術で、裏表にまったく粘着剤を塗布しない自己融着テープが誕生したのです。

このテープを2倍に引き伸ばして巻き付けます。すると、テープが戻ろうとする力によって、巻き付けたテープとテープの境目がつぶれ、一つの塊になり、絶縁層が一体化します。ブチルゴムの流動しやすい性質によって、重ね巻きした層が密着状態で一体化し、気泡の入らない絶縁層を形成することになるのです。

重ね巻きされた自己融着テープの分厚い絶縁層は、約30mmもの厚さになる部分もあります。これだけのブロックを気泡なしに簡単につくれるのは、自己融着テープ以外にはありません。

今も見えない所で私たちの生活を支えている、自己融着テープ

こうしてつくり出された自己融着テープは、当時の6.6kv電線の主絶縁テープとして使われました。現在においても、3.3kv~6.6kvあるいは11kvケーブルにはこの自己融着テープが活躍し続けています。

電力ケーブルは、順次、高圧送電へと進んでいき、それに適した高性能テープが開発され、33kv、66kvの超高圧送電にも使われるようになりました。これらは、自己融着テープの基幹技術がもとになっています。

現代社会の動脈とも言える電力供給のネットワークを、今なお自己融着テープやその応用品が支えています。

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