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ビニル粘着テープ(3)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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ビニル粘着テープ(3)タケノコになった粘着テープ?

開発者を悩ませた「タケノコ現象」

ビニル粘着テープは、電線の接続部分のように凹凸のあるところに適当に伸ばしながら巻き付けて、湿気や水分が入らぬよう絶縁するのが役目です。
「巻く」テープは、変形に応じながら伸ばして巻くのが得意なのです。ちなみに、セロハン粘着テープのように「貼る」テープは平らなところが得意です。

ビニルテープの伸びは、ゴムひものように引き伸ばして離しても、すぐ復元しないで伸びが残留します。巻き付け作業が非常に容易で、きれいに仕上がります。この、ビニル粘着テープにとって好ましい「伸び」が、テープの生産者を大変悩ませたのです。

製造工程では、塩化ビニルフィルムに粘着剤を塗り、加熱乾燥し、冷却して、最後にロール状に巻き取るまで、なるべく無理に引っ張らぬようにつくります。しかし、どうしても残留伸びが存在したままで、一つひとつのテープに切断されます。
この残った伸びが集まって、巻き芯へ向かってテンションを加えます。そのため中心部が押し出され、まるでタケノコのように飛び出してしまうのです。これが「タケノコ現象」です。「なんと大きなタケノコに成長したものだ」と、驚きともあきれともつかない声が、当時の工場ではよく聞かれたものです。
この課題は、塗布機全体のテンション制御や温度調整などの工夫により、今ではほとんど解消されています。

産業界のあらゆるところで活躍するビニル粘着テープ

こうして完成したビニル粘着テープは、高い粘着力を持ち、機械的強度や伸縮性、柔軟性、耐水性に優れています。さらに、電気絶縁性が高く、銅線を腐食させることもありません。燃えにくく、低温にも強く、まさに電気絶縁材としてうってつけでした。

さらに、凹凸面にもピッタリとフィットすることや、色の種類が豊富できれいなことから、絶縁用だけでなく文具や包装用など、私たちのごく身近な所でも使われています。
よく、缶入りのお菓子などを買うと、ふたが簡単に開かないように粘着テープで止められていますよね。あれもビニル粘着テープです。また、体育館でバレーボールやバスケットボールのコート用に貼るラインテープもそうです。
その他、石油管やガス管の防食・保護用、半導体製造工程用などさまざまな産業分野で活躍しています。

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