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ビニル粘着テープ(1)

テープの歴史館

第6章 合成高分子が
もたらした転機

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ビニル粘着テープ(1)合成高分子による粘着テープ第1号

大量生産時代を予感させた、塩化ビニル樹脂の誕生

合成高分子による粘着テープの第1号は、ビニル粘着テープです。
塩化ビニル樹脂は熱でやわらかくなるので、熱可塑性樹脂といいます。1835年にフランスで発明され、1927年にアメリカのユニオン・カーバイト社で工業生産されました。

樹脂だけで加工すると、常温では硬くて丈夫な材料です。これは硬質塩化ビニル品といわれます。家庭用水道の地中配管は、赤サビの出る鉄パイプに代わって、塩化ビニルでできたパイプが使われています。不燃性で、80~85℃でやわらかくなりますから、配管作業も容易です。

さらに、樹脂を柔軟にする可塑剤を加えて軟質塩化ビニル品にすると、まったく別の用途が広がります。多くの農家で使われたビニルフィルムや、粘着テープなどがそうです。
ビニル粘着テープをつくるときは、テープ用に向く可塑剤や薬品を選択して、自分の会社でフィルムをつくることが多いようです。

樹脂は透明ですから、着色してきれいな色を出すことができます。また、主原料は石油ですから、安くて大量に生産ができ、硬・軟両用、まさに革命的な新素材でした。

ゴム電線からビニル電線へ。ブラックテープからビニル粘着テープへ

先の大戦でアメリカ海軍は、大きな軍艦内の火災は、火がゴム電線を伝わって広がり全艦に延焼することをつきとめ、その対策としてゴム電線をビニル電線に変えました。戦後、一般商船にも使われ、1947年には全船舶の80%がビニル電線を配線していました。
戦時中、アメリカのビニル樹脂の大部分は、電線用でした。燃えにくい、油に強い、丈夫である、加工しやすいなどの特性を持っています。

1949年、日本でもビニル樹脂の国産化がなされ、低圧用ゴム電線はビニル電線に代わりました。電線と一緒に使われ始めたのがビニル粘着テープです。
日東電工株式会社でも1951年に生産を開始しましたが、わずか4年後の1955年には、それまで絶縁テープの主役であったブラックテープより生産高が多くなっていました。世代交代が早かったのです。

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