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ブラックテープ(1)

テープの歴史館

第3章 粘着テープ誕生

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ブラックテープ(1)もう1つの元祖粘着テープ/電線事業からの誕生

絆創膏と同じ頃、異なる分野で生まれたもう1つの粘着テープ

絆創膏が誕生した19世紀後半、まったく別の分野でもう1つの粘着テープが誕生しました。それは、電気絶縁テープです。綿布またはスフ(人造綿花)に、ゴム混和物を両面にすり込み、さらに片面にゴム系粘着剤を塗った黒い粘着テープで、「ブラックテープ」と呼ばれました。工業用粘着テープの元祖とも言われています。
その誕生の背景には、電線の普及がありました。

白熱電球の発明によって、急速に広まった電線事業

人々が電気を広く活用できるようになったのは、1826年にドイツのオームが「オームの法則」を発見し、1831年にイギリスのファラデーが「電磁誘導理論」を完成させた頃からです。1835年にはモールスが有線電信機を発明して電信の実用化が始まりました。
電気事業は、しばらくの間、有線電信事業だけでしたが、1876年にアメリカのベルが電話を発明し、1878年にエジソンとスワンがほとんど同時に照明用の白熱電球を発明してから、大きく発展します。都市を中心に電灯がともされるようになり、電力が多量に使用されるようになります。それにともなって、電線事業も急速に拡大されることになりました。

電線には不可欠だった、絶縁テープ

初期の電線製造では、絶縁材料として綿、絹、紙などにアスファルトやパラフィンを組み合わせて使用していました。やがて人々は、もっと適した絶縁材料を見つけます。それはゴムでした。1860年、電線にゴムを被覆するカバリングマシンが発明され、加硫ゴム被覆電線の量産の端緒となりました。

加硫ゴムで被覆した場合でも、たまに穴があいたり破れたりします。その修理や、電線を接続する場合には、未加硫のゴムテープを巻き、その上からゴム引布テープを巻き付けて加硫していました。電気絶縁テープの原型とも言えますが、これでは面倒です。
そこで、絶縁層をタール含浸布で包み込むという方法が開発されました。このタール含浸布をより使いやすいようにテープ状にしたのが、ブラックテープのはじまりです。

絆創膏は「貼る」テープとも言えますが、電気絶縁テープは「巻く」テープで、きちんと巻きつくためにも、初期のテープは両面がベタベタしたものが多く、完全な感圧性粘着テープとは言いにくいものもありましたが、今の粘着テープの原型となったことは間違いありません。

コラム:ゴム工場でつくられることが多かったブラックテープ

絶縁材料のゴムシートやゴム引布の生産には、一流のゴム製品工場の設備が必要でした。天然ゴムや天然アスファルトなどを扱うため、高度の原料精製技術と設備はなくてはならないものでしたから、ゴム防水布の製造技術を持った人々は、電気絶縁テープもつくれる環境にありました。次回で紹介する<ブラックレーテープ>のコノリーブラザーズ社もその1つです。

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