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粘着剤合成技術

粘着剤には、天然素材のものと、高分子を合成させてつくられるものとがありますが、合成粘着剤の代表的なものは、アクリル系粘着剤です。

アクリル系粘着剤の原材料

アクリル系粘着剤の原材料はアクリルモノマーです。アクリルモノマーは、コンタクトレンズ、プラスチックガラス、吸水性ポリマーなどにも使用されています。
このアクリルモノマーを選択し共重合することにより、必要な機能を持ったアクリルポリマーが合成され、粘着剤として使用できます。アクリル系粘着剤は、特に透明性、耐候性、耐熱性、耐溶剤性などに優れるため、液晶パネル、携帯電話や自動車などに広く使用されています。

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アクリル系粘着剤の合成方法

アクリルポリマーの合成方法としては、溶液重合、エマルション重合、UV重合などがあります。近年、地球環境保全の観点から有機溶剤を使用しない、エマルション重合やUV重合が注目されています。

アクリルポリマーの合成方法と使用時のメリット、デメリット
  メリット デメリット
溶液重合
  • 重合操作は比較的簡単
  • 添加剤の使用が容易で設計範囲が広い(種々の性能発揮)
  • 薄層塗工が可能
  • 有機溶剤を使用する
  • 溶剤回収処理装置が必要
  • 高濃度化が難しい
エマルション
重合
  • 水を使用するので環境に優しい
  • 高濃度化が可能(乾燥効率向上)
  • 添加剤の使用が容易で設計範囲が広い(種々の性能発揮)
  • 薄層塗工が可能
  • 耐湿性、耐水性に劣る
  • 基材への密着性が低い
  • 糊面が荒れやすい
  • 透明性が劣る
UV重合
  • 無溶剤で環境に優しい
  • 高性能化(高分子量)しやすい
  • 厚手品がつくりやすい
  • 強接着品がつくりやすい
  • 専用設備が必要で重合操作が難しい
  • 粘着付与樹脂の添加が限定される
  • 塗工速度が比較的遅い

◆溶液重合
アクリルモノマーをトルエンや酢酸エチルなどの有機溶剤中で、熱でラジカルを発生する開始剤(アゾ系、過酸化物系)によりラジカル重合を行い、粘着剤を合成する方法です。
アクリルモノマー(主モノマー)と同時に、コモノマー(物性のコントロール)や官能基含有モノマー(架橋点の導入)の選択と配合部数を決定し、目的とする物性の粘着剤の合成を行います。
溶液重合では、合成されるアクリル粘着剤の分子量分布や分子量が重合条件(使用溶剤、モノマー濃度、開始剤量、開始剤の添加方法、重合温度、重合時間)により大きく変化し、粘着剤の特性に影響を及ぼします。通常、粘着性を重視する場合には比較的分子量を低くし(Mw:20~40万)、耐熱性を必要とする場合は分子量を高く(Mw:40~80万)します。
◆エマルション重合
エマルション型アクリル系粘着剤は、溶剤型アクリル系粘着剤に比べ一長一短があります。
水中でアクリルモノマーを重合させるために界面活性剤を使用しており、耐湿性と耐水性が劣ります。一方、コストと安全性にメリットがあります。高固形分濃度で高分子量ポリマーを得ることが可能で、乾燥性と粘着特性を両立させることができます。近年、省資源、省エネルギー、環境問題などから無溶剤化へと進んでおり、設備、コスト面でエマルション重合は有効です。
◆UV重合
溶剤や水などの媒体を使わずに、アクリルモノマーに光でラジカルを発生する開始剤を添加しUV照射することで、プレポリマーを生成します。次に、このプレポリマーを基材に塗布し、再度UV照射することで、アクリルポリマー(粘着剤)をつくる方法です。

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